双子の世話をする代わりに伯爵家に居候をするローティシアは、侘しい日常の中で、騎士と姫や王子と姫のロマンスを妄想することを楽しみにしていた。それは、自分には縁遠い世界で、いずれは修道院へ入り、ずっとこの夢を胸に抱いたまま、ただ穏やかに生きていくのだ、とそう思っていた。
ところが、ひょんなことから嫁探しをしていた辺境侯爵に見初められてしまう。ローティシアは、これから始まるのは、愛のない結婚生活だとばかり思っていたが‥‥
孤独で夢見がちな乙女と愛に懐疑的な侯爵の紆余曲折の夫婦譚
文字数 102,047
最終更新日 2025.5.17
登録日 2025.5.6