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灰かぶり
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  • 1
    長編 完結 R15
    お気に入り : 683 24h.ポイント : 440
     この屋敷は、わたしの居場所じゃない。
     薄明かりの差し込む天窓の下、トリノは古びた石床に敷かれた毛布の中で、静かに目を覚ました。肌寒さに身をすくめながら、昨日と変わらぬ粗末な日常が始まる。
     かつては伯爵家の令嬢として、それなりに贅沢に暮らしていたはずだった。だけど、実の母が亡くなり、父が再婚してから、すべてが変わった。
    「おい、灰かぶり。いつまで寝てんのよ、あんたは召使いのつもり?」
    「ごめんなさい、すぐに……」
    「ふーん、また寝癖ついてる。魔獣みたいな髪。鏡って知ってる?」
    「……すみません」
    トリノはペコリと頭を下げる。反論なんて、とうにあきらめた。
    この世界は、魔法と剣が支配する王国《エルデラン》の北方領。名門リドグレイ伯爵家の屋敷には、魔道具や召使い、そして“偽りの家族”がそろっている。
    彼女――トリノ・リドグレイは、この家の“戸籍上は三女”。けれど実態は、召使い以下の扱いだった。
    「キッチン、昨日の灰がそのままだったわよ? ご主人様の食事を用意する手も、まるで泥人形ね」
    「今朝の朝食、あなたの分はなし。ねえ、ミレイア? “灰かぶり令嬢”には、灰でも食べさせればいいのよ」
    「賛成♪ ちょうど暖炉の掃除があるし、役立ててあげる」
    三人がくすくすと笑うなか、トリノはただ小さくうなずいた。
     夜。屋敷が静まり、誰もいない納戸で、トリノはひとり、こっそり木箱を開いた。中には小さな布包み。亡き母の形見――古びた銀のペンダントが眠っていた。
     それだけが、彼女の“世界でただ一つの宝物”。
    「……お母さま。わたし、がんばってるよ。ちゃんと、ひとりでも……」
     声が震える。けれど、涙は流さなかった。
     屋敷の誰にも必要とされない“灰かぶり令嬢”。
    だけど、彼女の心だけは、まだ折れていない。
     いつか、この冷たい塔を抜け出して、空の広い場所へ行くんだ。
     そう、小さく、けれど確かに誓った。
    文字数 118,952 最終更新日 2025.9.16 登録日 2025.8.22
  • 2
    長編 完結 なし
    お気に入り : 911 24h.ポイント : 7
    父親の再婚により、家族から小間使いとして扱われてきた、伯爵令嬢のコレット。
    思いがけず結婚が決まるが、義姉クリスティナと偽る様に言われる。
    愛を求めるコレットは、結婚に望みを託し、クリスティナとして夫となるアラード卿の館へ
    向かうのだが、その先で、この結婚が偽りと知らされる。
    アラード卿は、彼女を妻とは見ておらず、曰く付きの塔に閉じ込め、放置した。
    そんな彼女を、唯一気遣ってくれたのは、自分よりも年上の義理の息子ランメルトだった___
    異世界恋愛 《完結しました》
    文字数 124,768 最終更新日 2022.2.18 登録日 2022.1.22
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